消費者との接点の数だけ、
ルールと紛争の入口がある。
飲食・小売・ECの経営者が日々向き合う法的問題は、規模の大小にかかわらず共通しています。メニューや商品ページの表示、キャンペーンの割引表示、通販の申込画面、店舗の賃貸借契約、フランチャイズ本部との関係、アルバイトのシフトと残業代、外国人スタッフの在留資格、悪質なクレーム、そして食中毒や異物混入が起きたときの初動。どれも一つ間違えば、行政処分・損害賠償・評判の毀損が同時に起こります。
越水法律事務所は、景品表示法・特定商取引法・食品表示法・食品衛生法・労働法を横断して、店舗とECの運営を事前に点検します。取引先との契約、店舗の賃貸借、フランチャイズ契約、スタッフの労務、消費者対応まで、飲食・小売・EC事業者の経営全体を顧問弁護士として継続的に支えます。
飲食・小売・EC事業に特有の法的リスク
飲食・小売・EC事業の経営者から相談が多い法的リスクと、根拠となる法令です。
景品表示法の二重価格・No.1表示・キャンペーン
「通常価格5,000円のところ2,500円」という二重価格表示は、比較対照価格に最近相当期間の販売実績がなければ有利誤認(景品表示法5条2号)に当たります。「売上No.1」「顧客満足度98%」は客観的な調査に基づかなければ優良誤認(同条1号)です。違反には措置命令と売上額の3%の課徴金があり、2024年改正で直罰規定も導入されました。景品類の提供(総付景品・懸賞)には取引価額に応じた上限があり、SNSキャンペーンや来店特典の設計でも景品規制の確認が必要です。事業者には表示の根拠を管理する体制の整備義務(同法22条)も課されています。
通信販売・定期購入の特定商取引法
ECサイトでは、事業者名・所在地・電話番号・支払時期・返品特約などの表示義務(特定商取引法11条)があり、2022年6月施行の改正により、定期購入契約では最終確認画面に分量・金額・支払時期・解約条件を明確に表示することが義務付けられ(同法12条の6)、誤認させる表示による申込みは取り消すことができるようになりました。「初回無料」「いつでも解約可」と表示しながら解約を電話のみに限定する運用は、行政処分と消費者からの取消しの両方のリスクを抱えます。通販での酒類販売には通信販売酒類小売業免許が必要であり、ポイントや前払式のプリペイドには資金決済法の届出・供託義務が生じ得ます。
食品表示・食品衛生と事故対応
食品表示法に基づく食品表示基準により、加工食品の名称・原材料・アレルゲン・栄養成分・原料原産地などの表示が義務付けられ、アレルゲン表示の誤りは回収と健康被害の賠償に直結します。食品衛生法では2021年からHACCPに沿った衛生管理が全事業者に義務化され、営業許可・届出制度も再編されました。食中毒や異物混入が起きた場合、保健所への報告、営業停止処分への対応、被害者への補償、回収の要否、公表の判断を数日で行う必要があり、初動の誤りが損害を拡大させます。製造物責任法(PL法)に基づく無過失責任が製造・輸入業者に及ぶ点にも注意が必要です。
アルバイト・外国人スタッフの労務
シフト制のアルバイトでも、労働条件の明示(労働基準法15条)、休憩・割増賃金、最低賃金の遵守、年次有給休暇の付与は正社員と同じく適用されます。2024年以降の最低賃金の大幅な引上げは、賃金体系全体の見直しを迫ります。外国人留学生の資格外活動は週28時間以内(長期休業中は1日8時間)に限られ、超過は事業者の不法就労助長罪(出入国管理及び難民認定法73条の2)に当たり得ます。閉店後の片付けやミーティングの労働時間該当性、制服の着替え時間、固定残業代の要件を含め、退職後の未払残業代請求は3年分に遡ります。
カスタマーハラスメントと口コミ対応
2026年10月から、事業主にはカスタマーハラスメント対策として、方針の明確化、相談体制の整備、被害を受けた従業員への配慮が義務付けられます。飲食・小売はカスハラの発生が最も多い業種の一つであり、現場のスタッフを守る対応マニュアルと、悪質な場合の出入禁止・警察対応の基準が必要です。口コミサイトやSNSの誹謗中傷には削除請求・発信者情報開示請求が可能ですが、事実に基づく低評価は対象外であり、返信の仕方を誤ると評判の毀損を広げます。
店舗の賃貸借とフランチャイズ
商業施設や路面店の賃貸借は、定期建物賃貸借(借地借家法38条)か普通借家かで契約終了時の立場が大きく異なり、保証金の償却、原状回復の範囲、中途解約の違約金、営業時間の拘束が主な論点です。フランチャイズに加盟する場合、本部には中小小売商業振興法11条の法定開示書面の交付義務があり、売上予測の提示、テリトリー、契約終了後の競業避止義務、違約金の有効性をめぐって紛争が生じます。本部側として展開する場合は、法定開示書面と加盟契約の整備、加盟店の労務や表示に関する責任の切り分けが必要です。
飲食・小売・EC事業の顧問弁護士ができること
飲食・小売・EC事業の顧問先に対して、日常的に提供している業務です。
表示・広告・キャンペーンの事前チェックAdvertising
商品ページ・メニュー・チラシ・SNS・キャンペーン企画を、景品表示法・特定商取引法・食品表示法・薬機法(健康食品)の観点から事前に点検し、修正案を提示します。
- 二重価格・No.1表示・比較表示の根拠整理
- 定期購入の最終確認画面・解約導線
- 懸賞・総付景品の上限確認
- 健康食品・サプリの薬機法表現
- ステマ規制対応のインフルエンサー起用
- 食品表示・アレルゲン表示の点検
取引・店舗・FCの契約Contracts
仕入先・OEM先・ECモール・配送会社との契約、店舗の賃貸借契約、フランチャイズ契約を、事業者の立場(加盟店側・本部側)に応じて整備し、提示された契約のリスク条項を修正します。
- 仕入・OEM・販売代理店契約
- ECモール・決済代行・配送契約
- 店舗の賃貸借契約・原状回復の交渉
- フランチャイズ契約・法定開示書面
- 利用規約・プライバシーポリシー
- 取適法対応の発注書面
消費者対応・事故対応Customer Relations
クレーム・返品要求・カスタマーハラスメントへの対応方針、口コミ対応、食中毒・異物混入・アレルギー事故の初動、消費者センターや行政からの照会への対応を支援します。
- カスタマーハラスメント対応方針・マニュアル
- 悪質クレーマーへの通知・出入禁止
- 食中毒・異物混入の初動と保健所対応
- 製品回収・公表の判断
- 口コミ・SNSの削除請求・開示請求
- 消費者センター・行政照会への回答
スタッフの労務Labor
アルバイト・パート・外国人スタッフの労働条件、シフト制の労働時間管理、最低賃金対応、店長の管理監督者性、問題スタッフへの対応を、店舗運営の実情に合わせて整備します。
- 雇用契約書・労働条件通知書・就業規則
- シフト制の労働時間管理と残業代
- 最低賃金引上げに伴う賃金体系の見直し
- 店長の管理監督者性・固定残業代
- 外国人スタッフの在留資格の確認体制
- 未払残業代請求・労働審判への対応
飲食・小売・EC事業の顧問弁護士として選ばれる理由
飲食・小売・EC事業の顧問弁護士として、当事務所が提供できる価値です。
公開前に「通る表現」を返す
表示規制に触れる表現を削るだけでなく、伝えたい訴求を法令の範囲で表現する言い換え案を提示します。商品ページやキャンペーン企画を、マーケティング担当者がそのまま使える形で返します。
法改正と最低賃金への継続対応
特定商取引法、景品表示法、カスタマーハラスメント対策、最低賃金と、飲食・小売・ECに影響する制度改正は毎年あります。当事務所は法改正のコラムを継続的に発信し、顧問先には自社に関係する範囲を個別にお伝えします。
ブランドと知財を一体で守る
店名・商品名の商標、パッケージデザイン、模倣品への対応は、弁理士と特許庁審査官出身の弁護士・弁理士が担当します。EC上の模倣品対策やブランド保護を法務と同じ窓口で進められます。
よくあるご相談例
飲食・小売・EC事業の顧問先から実際に多くいただく相談の類型です。
定期購入の解約が多く、初回価格を強調したLPにしたい。
最終確認画面の必要表示、解約条件の明示、「初回無料」表示の要件を整理し、取消しや行政処分のリスクがない申込導線を設計します。
セールの「通常価格」の根拠を聞かれたが、明確に答えられない。
比較対照価格の販売実績の要件を確認し、表示の是正と、今後の値引き表示のルールおよび根拠資料の保存方法を整えます。
提供した料理で食中毒が疑われ、保健所から連絡があった。
保健所への報告と調査対応、営業停止時の対応、被害者への補償方針、公表の要否、保険会社への連絡を、初動の段階から一緒に進めます。
留学生アルバイトの労働時間が週28時間を超えていた。
不法就労助長のリスクを評価し、シフト管理の是正、本人への説明、今後の在留資格確認と労働時間管理の体制を整えます。
フランチャイズ本部から示された売上予測と実績が大きく違う。
法定開示書面と説明の内容、売上予測の根拠を検証し、本部の情報提供義務違反の有無、損害賠償や契約解除の可否を判断します。
常連客が店員に暴言を繰り返し、退職者が出ている。
カスタマーハラスメント対応方針に基づき、警告、出入禁止の通知、警察への相談基準を整理し、スタッフを守る対応を弁護士名義で行います。
よくあるご質問
飲食・小売・EC事業の経営者の方からよくいただく質問です。
1店舗の飲食店でも顧問契約できますか。
はい。表示・契約・労務の基本は店舗数にかかわらず必要であり、1店舗で整えた体制は多店舗化の際にそのまま使えます。事業規模に応じた顧問料をご提案します。
ECモール(楽天・Amazon等)の規約対応も相談できますか。
はい。モール規約に基づくアカウント停止への対応、模倣品の削除申請、モール内の表示ルールと法令の関係など、EC運営の実務に対応します。
食中毒などの事故が起きたときは顧問料の範囲で対応してもらえますか。
初動の相談と方針の助言は顧問料の範囲で行います。被害者との交渉代理や訴訟対応を受任する場合は個別にお見積りしますが、顧問先には着手金・報酬を優遇します。
本部としてフランチャイズ展開を始めたいのですが。
法定開示書面、加盟契約書、商標の使用許諾、加盟店の表示・労務に関する責任分担を整備し、加盟店募集の広告表現も点検します。
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